2018年11月には9回映画館に行き、7本の映画を観ました。1番のオススメは…う〜ん、1本に絞れず、「サーチ」「ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ」の2本に決定。かたや、鑑賞後に最高のカタルシスの得られる「サーチ」。かたや、真っ暗な気持ちで劇場を後にする「ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ」。全くテイストの異なる作品ですが、どちらも大好きです。

2018年11月に、主に劇場で観た映画に関する感想などを書き留めておきます。新しい作品を観るごとに、また何か思いついたたびに随時追加更新していきます。ネタバレはしないように努めていますが、場合によってはその限りでないのでご注意ください。

2018年11月25日 イット・カムズ・アット・ナイト

「クワイエットプレイス」に通じるポストアポカリプス・ホラーのようだけど、状況は一向に説明されずに物語は進む。というかあまり物語は進まない。ホラーというより暗喩に満ちた寓話であろうか?

タイトルにある”It”とはなにか?
「不安」「不審」…それは夜にやってくる。異質なモノに対する「不審」と読めば、現代社会の暗喩と取れる。一方、全ては少年の妄想であるようにも取れる。

ちなみに、ふつうにホラー映画を期待して観に行くとずっこけるので、ホラー好き、サスペンス好きの方には、とくにオススメはしません。

「アンダーザシルバーレイク」に続いて今年2度目のライリー・キーオ。ふつうにジャンル映画を期待して観に行くと肩透かしを食らう作品が続いたが、「マッドマックス 怒りのデスロード」のケイパブルは最高にいい役だったし、美人で好きな女優なので、ちょっと嬉しい。

なお、上に書いたように、私はこの作品を寓話のように受け取ったが、公式サイト(https://gaga.ne.jp/itcomesatnight/secret/)のミヤザキタケル氏の解説を読むと、登場人物達の行動は合理的に解き明かされており、なるほどと思った。

ただし、映画内の登場人物達の行動が合理的に説明されるとはいえ、”It”とはなにか?という問いに立ち返ってみると、シンプルな回答のない寓話であると言って良いと思うが。

2018年11月24日 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

前作のややほんわかムードから、いきなりスケールと奥行きが広がる。ハリポタファンなら腰を抜かす展開もありな帝国の逆襲
(ややネタバレ発言ごめん)。

2018年11月23日 ア・ゴースト・ストーリー

あとに残した妻を幽霊となって見守るラブストーリーと思っていたら、途中からSF的な展開となり、予想外のラストで不思議な余韻を残す。

ヒント:SF=”すこしふしぎ”
わかる人にはわかると思うが、あの作品系列に連なるテイストであった。

もちろんわかりやすいところでは、「火の鳥」はじめ、手塚治虫の緒作に通じる東洋的宇宙観を感じるのは欧米作品には珍しい。

2018年11月18日 ボヘミアン・ラプソディ

「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」に続いて2本目は「ボヘミアン・ラプソディー」。
クイーンって、個人的には興味の持てないバンドでしたが、それでも出てくる曲はほとんど知ってました。

2018年11月18日 ボーダー・ライン:ソルジャーズ・デイ

そしてまぁ、なにを好き好んでこんなに気持ちが暗くなる映画を観なければならないのか?
回答を得ぬままに、私はこの作品を観るために、2度も劇場に足を運んでしまったのである。

ラストに前作のメインテーマが流れ、クレジットにて、「ヨハン・ヨハンソンに捧ぐ」。

撮影したダリウス・ウォルスキーはリドリー・スコットの「プロメテウス」等を手掛け、前作を撮影したロジャー・ディーキンスはヴィルヌーヴの「ブレードランナー2049」を手掛けている….

この監督/撮影監督の組み合わせもとっても面白い。シリーズ2作のテイストの違いに見事にマッチしているあたり。2作がそれぞれに傑作となった要因でもあると思う。

作品鑑賞後、しばらくしてはたと気がついた。「インフィニティ・ウオー」でも、「ソルジャーズ・デイ」でも、ラストでジョシュ・ブローリンは同じ表情を浮かべているのです。ネタバレかもしれないので詳しくは言いませんが。

2018年11月17日 サーチ

2回目の劇場鑑賞。
当然、展開も犯人も真相もすでに分かった上で観ているのに、心底面白かったし、本気でマーゴット生きててくれ!と祈ってたし、感動した。

この作品のなにが素晴らしいかというと、画面に映し出されるのは断片的なデジタル情報の集積に過ぎないのに、全てのシーンに感情がこもっているところ。

2018年11月16日 ボーダー・ライン:ソルジャーズ・デイ

善も無く、悪も無い世界で、前作以上の凄まじい暴力が吹き荒れる。物語の途中でそもそもの大義も空中分解する。観終わって真っ暗な気持ちになる衝撃作となった。万人にオススメはしないが、オレはこういう映画を観たいんだよ!

余計なものをそぎ落としていくヴィルヌーヴ演出による前作とはテイストが異なるが、いやいやどうして、それに劣らぬ傑作。ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンのコンビが続投でうれしいが、二人には予測できない運命が降りかかる。

トロ&ブロに勝るとも劣らない印象を残すのは、カルテルのボスの娘、イサベル役のイサベラ・モナー。17歳にして超絶美女かつ女優としての風格ありで、今後の活躍に期待。あ、「トランスフォーマー/最後の騎士王」の子なんだ。

脚本のテイラー・シェリダンは前作の脚本はもちろん、「ウィンド・リバー」の監督・脚本でもあるって。
なんだよ、好き。

2018年11月11日 サーチ

PCの画面上のテキスト、画像、動画だけで物語が展開する。はじめて聞いた時は、それで映画として成立するのか?アイデア倒れじゃないか?とすら思っていたけれど、これがとんでもなく面白い傑作スリラーだった!

気をてらった表現形式に終わらず、その手法ゆえのサスペンスがあり、展開はスピーディで隙がない。緻密に張り巡らされた伏線が回収される瞬間には思わず声が出た。

行方不明の娘の捜査を進めるうちに、親は自分の知らない娘の本当の姿を知っていく、、、これがサスペンスの推進力となっていると同時に、親子とは?としみじみ考えさせられ、挙句に涙腺まで決壊させられるとは!!

サスペンス映画なので当然内容を詳しくは語れないので、とにかく観て!といか言いようがない。「面白い映画」なんかじゃないよ。「とんでもなく面白い映画」だよ。イロモノと思って見に行かなかったら損するから。超オススメ!

ネットの絡むサスペンスって、天才ハッカーが登場して意外な情報を暴き出すってのがありがちなんだけど、本作では、リアリティの水準が一定していて、その手の嘘くさい強引な描写がないのもいいところ

けっこう同じように感じてる方がいるようなので、私もカミングアウトしちゃいます。この映画、冒頭5分で号泣しました。

2018年11月10日 ヴェノム

つまらなかったってほどでもないけど、面白かったってほどでもないよ。監督は「ゾンビランド」のひとなんだ。じゃあ、もっと面白くなってもおかしくないのに。

あらためて振り返ると、ヴェノムが主人公エディを、エディが主人公を相棒として受け入れるところに説得力のある理由付けも、物語上の盛り上がりも無いところが最大の問題点ではあるまいか。

さておき、ミシェル・ウイリアムズは美人なのだろうか?未だに答えが出てません。けど、嫌いじゃない。今回のチェックのスカート姿に萌えた。